文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

1970年生まれの作曲家、ギョーム・コネッソンの音楽を聴く

ちょっと変わった演奏会に来ました。シンフォニエッタ静岡の第49回定期公演(第三回東京定期公演)です。

前半については別項を設ける事にして、ギョーム・コネッソンの曲を4曲並べた後半について先に書きます。

この作曲家は1970年、パリ近郊生まれ。現役バリバリです。いわゆる「現代音楽」の作曲家ですが、現代的な響きと伝統的なメロディを融合させた、比較的親しみやすい作風を特徴としています。

で、実は最後の「六重奏」、私は演奏した事があるのです。その時いろいろ演奏を探し、日本初演がこのシンフォニエッタ静岡の皆さんによるものである事が判明しました。なぜここでコネッソンの曲を演奏するのかと思ったら、指揮者さんが親交があるようです。

この曲は現代的な響きや変拍子のリズムの中にロマンチックなクラリネットの旋律やジャズ風の要素を取り入れた作品です。演奏はさすがと思わせる所が多いのは当然ながら、曲の難しさを感じさせる所もあり、自分達が苦労したのも当然と改めて思いました。曲の魅力は十分過ぎるほど客席に伝わったと思います。

これ以前に3曲演奏されましたが、「弦楽四重奏」はこの日が日本初演でした。ゆっくりしたテンポのフーガの楽章で始まり、速いテンポの楽章が続き、チェロから始まるゆっくりした楽章が続きます。この楽章は終わりもチェロの音で、何だかこの世の終わりを感じさせる曲でした。

次に短い、チェロと管楽器で演奏する曲が続きます。クラリネットと演奏する「ディスコ・トッカータ」はアクロバティックな曲で、演奏している方は大変そうでしたがなかなか楽しい曲でした。フルートと演奏する「トッカータ・ノクチュルヌ」は、少ししっとり歌う音楽。どちらも聴きえやすい曲で、これから人気が出るかも知れません。

コネッソンの曲はyoutubespotifyGoogle play musicなどでも聴くことが出来ます。ブリュッセルのオケが来日公演で演奏するなど、これから評価の高まっていく作曲家だと思っています。