文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

みなとみらい小ホールで聴くオンドマルトノ

先日、シンフォニエッタ静岡の演奏会の後半について書きましたが、今日は書き残していた前半について書こうと思います。前半はオンドマルトノという電子楽器をフィーチャーしたステージでした。演奏するのはこの楽器の奏者として世界的に有名な原田節(はらだたかし)さんです。

最初に演奏されたのは、モーリス・ラヴェル弦楽四重奏でした。本来の第一ヴァイオリンのパートをオンドマルトノで演奏していました。独特の不安定性電子音がこの曲のこれまで聞いたことがない新たな側面を引き出していたように思いました。

次に演奏されたのは同じくフランスの作曲家、アンドレ・ジョリヴェのデルフィ組曲という曲です。元々劇のために書かれた音楽のようですが、そこから作曲者自身が組曲としてまとめたものです。古代ギリシア風の響きを追求した音楽のようですが、オンドマルトノの電子音がその響きに貢献していたのが意外でした。犬の鳴き声を模していると思われる部分などもありました。

後半はオンドマルトノの出番が無かったので、ここでアンコールが入りました。原田さん作曲の夕陽に赤い頬という曲で、思春期を迎えた女の子の不安な心情を描いたもの、と原田さんから解説がありました。ここではオンドマルトノが鳥の声を模していました。

シンフォニエッタ静岡と原田さんの共演は今後も予定されているようですので、また珍しい曲が聴けるかも知れません。