文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

幻の馬車(今週のお題「読書の秋」)

せっかくだからあまり人が紹介しなそうな本の話です。色々記憶違い等があったので書き直しました(9/23)

幻の馬車 (角川文庫)

幻の馬車 (角川文庫)

新年を迎える鐘が鳴る頃に死んだ者は、死神の馬車の馭者となって、つぎの一年間、死者の魂を捕って廻らなくてはならないと言う伝説に基づいた作品です。仕事もせずに飲み歩いている駄目男がその馭者になるかと思いきや、、、えーと、後は書かないでおきます。読後感は良い作品だと思います。大晦日の日が暮れてからの物語ですが、その時間内で効果的にストーリーを組み立てた作品だと思います。原著者はニルスの不思議な旅で有名なセルマ・ラーゲルレーフ。何度か映画化もされています。私はシェーストレムと言うスウェーデンの監督の作品を見た事があります。サイレント時代の作品ながら、普通の人には見えない馬車を特殊技術を駆使して撮影しており、なかなか見ごたえのある作品でした。原作も優れていて、映画も成功というのはあるようでなかなかありません。この映画のタイトルは霊魂の不滅ですが、後にリメイクされたものは本と同じく、幻の馬車というタイトルになっています。言語のタイトルをそのまま訳すとは死神の馭者という意味になるようです。

珠玉のフランス映画名作選 幻の馬車 [DVD]

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