文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

R.I.P.

ほぼ同い年の、ある方が亡くなられた事を伝聞の伝聞で聞きました。

多分その方は私の事を覚えていらっしゃらなかったと思いますけど、私は良く覚えています。

大学3年の秋、通っていた大学のオーケストラがマーラー交響曲5番を演奏しました。今でこそ珍しくありませんが、当時はまだマーラーの演奏頻度は少なかったので話題になっていたようです。

そのマーラー5番の冒頭のトランペットのソロを吹いていたのが、他ならぬその方だったのです。

そっくりメンデルスゾーンの結婚行進曲を休憩時間に舞台裏で吹いていて、演奏する皆さんが爆笑していたのを良く覚えています。

ご本人としては今一つの出来で、「メンデルスゾーンなんかふざけて吹いているからだ」と打ち上げで槍玉に挙がったらしいですが、それでも素晴らしかったです。

その頃楽器を始めて間もなかった私ですが、ずっと続けていたおかげでその方とも何度かご一緒する機会がありました。最近はちょっとご無沙汰になっていましたが、こうなってしまうとちょっと悔やまれます。

お友達の皆さんが集まるお別れ会などでは、上記マーラーのエピソードも話題に上るでしょうか。私は結局お話する機会も無かったので、せめてこうしてご冥福を祈りたいと思います。

そういえばマーラー5番の冒頭、あれは葬送行進曲なんですよねえ。