飢餓海峡
飢餓海峡がラピュタ阿佐ヶ谷で上映されるってんで、見に行けないかどうか予定を確認したら、土曜の夜、家族が別件で出かける時間帯に上映がある事がわかり、出掛けて行ってやっと見ました。 3時間超えの長い映画です。最近はこういうの少なくなってますね。 何となく長さで敬遠してしまいがちですが、長い映画の方が製作者の意図したとおりにストーリーを組み立てられるせいか、最後まで楽しめるように思います。この映画は途中休憩も無い、本当に3時間ぶっ続けの映画ですが、最後まで飽きずに見られました。
2つの事件が交わる緊張の冒頭部分、多吉と八重の交流、弓坂刑事の執念、そして最後に明かされる十年前の事件。 様々な要素が複雑に絡んで物語は進んで行き、適度な緊張感が最後まで続きます。
大きな連絡船が沈むような状況で小さな手漕ぎ船に乗った人間が助かるのか、とか、娼妓が一度取った客にそこまで入れ込むのか、とか、突っ込みどころはありますが、丁寧な描写で、見ている間はそういう事を忘れさせてくれます。
特に八重を演じる左幸子さんは素晴らしく、寒村から売られてきて、娼妓に身を堕としながら、このような純粋さを持ち続ける人物が実在すると思わせてくれます。
ここまで書いて、この八重が「罪と罰」のソーニャに似ている事に気が付きました。そう考えればあのやや唐突な終わり方も合点がいくように思います。
色々な事を考えさせる、見応えのある映画でした。機会を見つけて原作も読んでみたいと思います。
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