文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

雪の日の迷い猫

今週のお題「雪」

もう40年近く前の話です。

家の庭にだいぶ雪が積もっていたある日、庭に猫が迷い込んできました。

雪のように真っ白な猫でした。

その猫を見た私の母は、箒で追い出しにかかりました。

当時は猫に対して特別な感情の無かった私でもさすがに可愛そうに思いましたが、 結局黙って見ていました。

「うちの庭で死んだらうちで始末しないとならなくなる」

母親はそう言いました。

猫はどこかに去って行きました。その後どうなったかはわかりません。

母親は42歳で亡くなりました。

もしかしたらあの猫に祟られたのかも知れません、などと今頃になって思います。

ただ、戦前生まれ、物のない時代に育った母親が、自己中心的な考えを持つようになってしまった事を責める事はできません。

そんな時代がまた来ないような事を考えていかなければ。猫のためにも。