文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

ダム工事現場で思う

八ッ場ダム、工事が進んでいます。

このダムは半世紀以上前に計画されたものです。

民主党政権で一時中断しましたが、結局工事は再開されました。

何度もテレビに写った橋は完成しました。その上から工事の状況が見えます。

工事の途中で更地になっている所も多々ありますが、なかなか風情のある光景です。

半世紀以上前は、こんな光景は当たり前だったのでしょう。

今となっては、工事前のこの辺りの光景は貴重な日本の原風景の一つだったのでは、と思えます。

川原湯温泉鄙びた風情のある温泉街だったようです。

丸木屋さんで部屋に案内してくださった方は、「もう更地になってしまったから」と言っていました。

悲しんでいるような、諦めたようなその言葉が今でも耳に残っています。

確かに利根川水系は水不足も頻繁に発生しますし、このダムは必要なのかも知れません。

ただ、この風情のある眺めを引き換えにしても良いのか。

私にはそうは思えませんでした。

こういう開発は誰のために行われるのか。本当に得をするのは誰なのか。

私たち一人一人が考えるべき問題だなあと思わされました。