文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

作品番号にこだわったプロコフィエフ

旧ソ連の作曲家でプロコフィエフという人がいます。語りの付いた「ピーターと狼」や「ロメオとジュリエット」のバレエ音楽などが有名です。交響曲は7曲作曲しています。そのうちの6番目の交響曲を今度演奏します。フラット♭が6つも付いた、変ホ短調という、なかなか演奏が大変な調性の曲ですが、そのせいもあって一種独特の雰囲気を持つ曲です。「スルメみたい」と言っている団員がいましたが、はまるとなかなか面白い曲です。

この曲ですが、111番という作品番号が作曲者本人によって付けられています。この番号ですが、どうやらベートーヴェンの最後のピアノソナタと同じ番号にしているようです。このベートーヴェンの最後のソナタも確かにちょっと不思議な曲で、ピアノの名手だったプロコフィエフが大好きだった曲だと言われています。

この2曲の比較という深いネタを書く時間がないので、ここではプロコフィエフの作品110という曲の話をしたいと思います。その曲は「ワルツ組曲」と言います。これは今まで自分が作曲した曲のワルツを抜き出してまとめたものなのです。要するに交響曲6番の作品番号を111にするために作ったと言っても過言ではありません。

実はプロコフィエフ交響曲5番でも似たような事をやっていて、作品番号を100にするために小さな行進曲を作品99として作曲しているのです。

芸術家は普通の人にはわからないこだわりを持っているものだと思いますが、この作品番号へのこだわり、ちょっと面白いですね。

ちなみに5番の交響曲はフラット2つの変ロ長調という調性で、6番とは陰陽の対象をなす曲だと言われています。

セルゲイ・プロコフィエフ - Wikipedia