文系フリーランスまたは休日低音大堤琴奏者の戯言

翻訳を生業とする文系フリーランスです。日々思い付く事を書いてます。

リアルな姿がわからない作者が描くリアルな人間模様(今週のお題「読書の秋」)

ベニスの商人ロミオとジュリエットなどで有名なシェイクスピアですが、舞台俳優として活躍した事はわかっているものの、その人物像は謎に包まれていて詳しい事は分かっていません。別の人のペンネームという説まであるようです。

高校生のころ、翻訳されたものを一生懸命読んでいるクラスメートがいましたが、ある英語の先生は「絶対に原作を読まなければ駄目」とおっしゃっていました。何通りにも解釈できる原文に一つの訳をあてはめる事はできないと言う事でした。

その先生は一年間に一作品読めるかどうかだとおっしゃっていました。今ならKindleなどを活用すればもう少し読めるかも知れません。「アントニーとクレオパトラ」は丁寧な解説の付いた翻訳本を読んだ直後にKindleで原文を読んだ事があります。‘Nay’(現代語の‘Not’)ただ一言で読者を物語の舞台に引きずり込む力に圧倒されました。 ロミオとジュリエットは有名な話という事もあり、Kindleで何とか最後まで辿り着きました。冒頭を読んでいたらウェストサイドストーリーの冒頭を思い出しました。こちらの方がずっと下品なんですが。

Kindleを使えばいつでも辞書と一緒に持ち歩けます。Word Wiseなんて便利な機能もあるので、少しずつ読んで行きたいと思います。

Shakespearean Insults 2018 Day-to-Day Calendar

Shakespearean Insults 2018 Day-to-Day Calendar

ながーい長いロシア文学(今週のお題「読書の秋」)

高校生の頃、本屋さんでロシア文学の棚を見て、分厚い複数巻の小説がいくつも並んでいてびっくりした事があります。「絶対読んでもわからないから」と言われたトルストイアンナ・カレーニナ、やっぱりわかりませんでした。まだあるはずだからこれをキッカケに再度挑戦して見ようかと思います。

もう一方の雄、ドストエフスキーを読んだのはもう少し後です。何年か前に新訳が出た「カラマーゾフの兄弟」はまだ読んだ事ありません。電子版もあるので若干ハードル低いですね。「白痴」は黒澤明監督の映画が面白いです。3時間以上ありますけど飽きずに見られます。

罪と罰」は2回読みました。テーマは重いですが、犯罪を犯した主人公と問い詰める警官の心理描写など、読み応えのある作品です。主人公ラスコリニコフに大きな影響を及ぼす娼婦ソーニャの存在が救いです。 ナニワ金融道青木雄二氏や、手塚治虫氏が惹かれたのも理解できます。手塚治虫氏の漫画を読んでから原作に挑むのも手かも知れません。

ロシア語はアルファベットが違ったりして一見取っつきにくいのですが、構造は意外に単純で、解釈の余地が大きいように思います。そういうところも多くの人を魅了する理由なのでしょうか。

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

罪と罰〈上〉 (岩波文庫)

幻の馬車(今週のお題「読書の秋」)

せっかくだからあまり人が紹介しなそうな本の話です。色々記憶違い等があったので書き直しました(9/23)

幻の馬車 (角川文庫)

幻の馬車 (角川文庫)

新年を迎える鐘が鳴る頃に死んだ者は、死神の馬車の馭者となって、つぎの一年間、死者の魂を捕って廻らなくてはならないと言う伝説に基づいた作品です。仕事もせずに飲み歩いている駄目男がその馭者になるかと思いきや、、、えーと、後は書かないでおきます。読後感は良い作品だと思います。大晦日の日が暮れてからの物語ですが、その時間内で効果的にストーリーを組み立てた作品だと思います。原著者はニルスの不思議な旅で有名なセルマ・ラーゲルレーフ。何度か映画化もされています。私はシェーストレムと言うスウェーデンの監督の作品を見た事があります。サイレント時代の作品ながら、普通の人には見えない馬車を特殊技術を駆使して撮影しており、なかなか見ごたえのある作品でした。原作も優れていて、映画も成功というのはあるようでなかなかありません。この映画のタイトルは霊魂の不滅ですが、後にリメイクされたものは本と同じく、幻の馬車というタイトルになっています。言語のタイトルをそのまま訳すとは死神の馭者という意味になるようです。

珠玉のフランス映画名作選 幻の馬車 [DVD]

珠玉のフランス映画名作選 幻の馬車 [DVD]

新月の今日、iOSリリースは偶然?

今日は新月です。今日から旧暦の八月って事になります。 旧暦では七月から九月までが秋ですけど、今年は閏月もあったせいか、この季節区分がマッチしているように思います。 新月は新しい事を始めるのに良いタイミング、なんだそうですが、奇しくも今日、iOSの11がリリースされています。

自宅で今朝確認したら、ダウンロード&インストールの準備はできていました。私のiPadはiPad mini2ですが、ぎりぎり今回のアップデートの対象になっています。利用できない機能も出てくるとは思いますが、iPadの使い勝手を大幅に向上させるリリースと言われていますので、ちょっと楽しみです。

実演で聴きたかったスラットキン/デトロイト響のコープランド三番

録画しておいたスラットキン/デトロイト響の日本公演を視聴しました。 冒頭のインタビューでスラットキンは「アメリカのオーケストラなのだから、ドイツやロシアの曲ではなく、アメリカの曲を演奏したい」と語っていました。実際この演奏会はアメリカ音楽プログラムで、メインの曲目はアメリカの作曲家、アーロン・コープランド交響曲第三番でした。演奏された4曲の中では知名度の最も低い曲ですが、明るく親しみやすいメロディが豊富な、いわゆる現代音楽らしくない名曲です。

スラットキンの演奏は大変素晴らしく、この曲の人気を高めるのに大きく貢献したのではないかと思います。実は私、この曲を一度演奏した事があるのですが、その時には判らなかった主題の関連などをしっかり聴かせてくれる演奏でした。静かな部分、金管や低弦が堂々と鳴り響く部分、リズミカルな部分の対比も見事でした。こういう演奏を聴くとまた自分でも演奏したくなります。

美味しくて居心地の良いカフェ、ブリキボタン@新宿

世界中の食べ物が食べられる、と言っても過言ではない東京ですが、外食チェーンやコンビニが幅を効かせるようになってからは、中途半端な時間に食事を取りたい場合の選択肢は少なくなっています。先日、新宿で早めの夕食を取りたい、でもチェーン店には行きたくない、と思って探し、見つけた店がここでした。

雰囲気のあるカフェのドア

下北沢にあるお店の新宿店だそうですけど、いわゆる外食チェーンではありませんね。

食べたもの

アッシュパルマンティエ

マッシュポテト、ミートソース、チーズをオーブンで焼いたものです。ミートソースの肉が粗挽きで歯応えがありました。軽食のつもりで頼んだのですが以外にボリュームがありました。 サラダも付いてきます。

ハートランドビール

じゃがいもとミートソースの料理に良く合いました。

雰囲気など

席は窓際のソファでした。外の景色は新宿の雑踏ですが、これは仕方ありませんね。BGMは自分で普段聴かない音楽でしたが、音量が小さいのでそれほど気にならないと思います。

ドリンクだけをオーダーしてまったりしているお客さんもいました。

やや高いけどかなり美味しい鼎@新宿

先日新宿文化センターにオペラを観に行きましたが、その帰りに表題の店に行きました。私は初めてでしたが家族は以前行った事があったようです。

夜九時頃で、適度に混んでましたが座れました。

食べたもの

鯛のお刺身盛り合わせ

正確な名前は失念しました。普通のお刺身、軽く炙ったもの、昆布締めの三種類が楽しめます。値段は確か1430円と決して安く無いのですが、手間が掛かった一皿でした。

たたみいわし

これも軽く炙ってあります。七味を軽く振ったマヨネーズが添えてあります。香ばしくて美味しかったです。最近置いてある所が少ないように思いますが、こういう手間のかかる料理が置いてあると良い店だなあと思います。

肉豆腐

肉も豆腐もたっぷりでボリュームがあります。出てくるのに結構時間がかかったので注文を受けてその都度調理していると思われます。

オペレーション、その他

放置されているようですが、呼ぶとちゃんと店員さんが来てくれます。結構喫煙率が高いのですが、煙たくないのも好印象です。

上記3品に日本酒一合×2で6110円ですから決して安くありません。ただしすべて手間のかかった満足できる料理でした。昭和47年からの営業のようですから長続きしている店だと思いますが、固定ファンも多いのでしょう。これからもチェーン店に負けないで頑張ってもらいたい店です。